現地時間2017年6月5日10時（日本時間6月6日2時）アメリカのApple社がカリフォルニア州サンノゼのマッケナリー・コンベンションセンターで行ったWWDCにて幾つもの製品が発表されました。この記事では発表された製品を紹介していきます。
既にその時の様子が動画でアップされているので、見逃した人はこちらもどうぞ。
Apple公式HP WWDC17
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目次
WWDCとは？
Worldwide Developers Conference（ワールドワイドデベロッパーズカンファレンス）
Appleが毎年夏（5月～8月）に開催している開発者向け会議。
会議とは言っても新製品の発表が主なので、開発者に限らずiPhoneユーザー等Appleファンも楽しみにしており、Webでライブ配信も行われているため日本だと深夜2時から2～3時間かかるにも関わらず毎年リアルタイムで視聴する人が多いイベントです。
毎年規模が拡大しており今年は現地に5300人の開発者が集まったそうです。
オープニング
Appleのサーバーがダウンし、世界中で利用されているiPhone・iPad・Macが使えなくなり全世界が混乱してしまうというもの。今までデバイスで利用していたappや音楽などを利用しようとしても上手く使えない。最後に開発者へ向けたメッセージとして以下の文章が表示されます。
Keep making apps.The world is depending on you. – アプリを作り続けて下さい。世界はあなた次第です。
開発者がアプリを作り続けると世界はより良くなるといったメッセージ性のあるものでした。映像作品としても面白いものに仕上がっているので、英語がわからなくても一見の価値ありです。
その後小走りでティム・クックが「ハロー！」と元気よく登場。「こんな事が起こらなくて本当に良かった」と感想を言います。
2016年で開発者に登録した数が400万人増えて、現在1600万人の開発者がいるそうです。
その中でも最も若い開発者はオーストラリアの10歳の少年で、最年長は日本の82歳の女性と画像で紹介がありました。
次に今回は6つの大きな発表をすると言い、スライドに「tvOS」「watchOS」「macOS」「iOS」が表示。後半で「iPad」「MUSIC」が表示され全部で6つとなります。
tvOS
tvOSとはAppleTVのOSの事です。
Hulu・Netflix・AbemaTV・バンダイチャンネル等、数多くの動画配信サービスに対応していましたが、2017年末からなんとAmazonビデオ/Amazonプライムビデオにアクセス出来るようになります。
その他、ビデオチャンネルの切替が簡単になったことが伝えられました。
watchOS
Apple watchのOSが4へ今年の秋バージョンアップをします。watchOS4は、iOS11を搭載したiPhone5以降のiPhoneとペアリングしたApple watchで利用出来ます。今回のバージョンでは大きな変化として3つのウォッチフェイス（iPhoneで言うホーム画面）が加わります。
「Siriの文字盤」・・・Siriの賢さを使って必要そうな情報を先読みして表示する機能。情報が多すぎる場合はシンプルに変更も可能。
「万華鏡の文字盤」・・・その名の通り静止画像が美しく絡み合い一日中変化し続ける。
「トイ・ストーリーの文字盤」・・・手首の上でウッディ、バズ・ライトイヤー、ジェシーがいきいきと動く。
ジムにあるランニングマシンと接続してデータを取り込めたりできるようになります。
AirPodsともペアリング出来るようになります。
macOS
現行の最新バージョンは「Sierra」ですが、今年秋リリースのOSは「macOS High Sierra」となります。
Safariの高速化
今回のバージョンでSafariの高速化を行ったことで、Google Chromeよりも80%早くなり、macOSは「世界最速のデスクトップになった」と主張しています。
また、Webページを開いたら再生される動画の自動再生をブロック、トラッキング広告からの保護が行われ、プライバシーが守られつつより快適に利用できるとの事。
Apple File System（APFS）実装
64ビットのAPFSが標準となりますが、いままでのHFS+も読み書きは互換があるとの事です。
H.265に対応
HEVC（HighEfficiency Video Coding）別名H.265という業界標準規格がMacの標準形式となります。
今までのH.264よりも40％も圧縮効率が上がり、画質はそのままなのでストリーミングはよりスムーズになり、ビデオが占める容量がより小さくなります。
新GPUのMetal 2
グラフィックスAPIのMetalがバージョンアップ。これに伴いThunderbolt経由で外部のGPUに接続出来るようになります。
これにより機械学習やバーチャルリアリティの機能が加わりアプリケーションやソフトウェア開発の幅が広がります。
さらにそれに合わせて開発者向けキットの提供も行われるそうです。
macOS High Sierra – Apple公式
iMac Pro
Mac Proのハイエンドモデルの最新ハードウェアは「iMac Pro」となりました。2017年12月発売予定。
CPU
8、10、18コアXeonプロセッサ
最大4.5GHz Turbo Boost
最大42MBのキャッシュ
GPU
Radeon Pro Vega
11テラフロップスの単精度
22テラフロップスの半精度
8GBまたは16GBの高帯域幅メモリ
400GB/sメモリ帯域幅
メモリ
最大128GB 2,666MHz DDR4 ECC
ストレージ
最大4TBのSSD 3GB/sのスループット
I/O
Thunderbolt 3(USB-C)ポートx4
最大4,400万ピクセル
10Gb Ethernet
ディスプレイ
500ニト
43%明るさが向上
10億色
iMac
21.5インチのiMac、21.5インチのiMac Retina 4K、27インチのiMac Retina 5Kの3モデルが発表となりました。
全てに共通してIntel第7世代のKaby Lakeプロセッサと2個のThunderbolt3のポートを搭載しています。
本日から購入可能です。
MacBook、MacBook Pro
12インチMacBook、13インチMacBook ProのTouch Bar有り/無し、15インチMacBook ProのTouch Bar有りの4モデルが発表されました。
12インチMacBookはシリーズの中でも最薄となり、厚み1.31cm、重さ0.92kgと、MacBook Airの厚み1.7cm、重さ1.35kgを遥かに凌駕しています。
本日から購入可能です。
iOS
iOS 11では多くの機能の追加と変更が加えられています。今年秋のリリース。
対応機種はiPhone5s以降、iPad mini 2以降、iPod touch第6世代とiOS10と同じ。
iMessage
iCloudに保存できるようになり、iPadやMacで会話を継続することが可能に。
Apple Pay
個人間決済機能が実装。Apple Payを利用することで、iMessage内で友人や家族にお金を送ったり支払いできるようになる。Touch IDを使いApple Pay Cashというアカウント内に入るため安全にやり取りをすることができる。
Siri
学習機能がさらに進化し、検索履歴やメールの文脈などから予測が行われます。また、同じ言葉でも複数のトーンで話す事ができるようになり、より人間に近い音声になりました。
翻訳機能もベータ版として追加されていますが、日本語にはまだ未対応。
カメラ
静止画がHEIF、動画がHEVC（H.265）となり圧縮効率が2倍近くになります。また、暗い場所での性能を改善されています。
Live Photoに動画をエンドレスで繰り返すLoop and Bounce（ループさせたり巻き戻したり）という機能の追加、長時間露光のLong Exposureを利用することで水や光の流れを撮影出来るようになります。
コントロールセンター
UIが一新し、今まで2ページだったものが1ページにまとまります。
3DTouchにも対応しており押し込むことで各項目の詳細を設定できます。
ロック画面
最近の通知と見逃した通知の両方を一箇所に表示させることが出来るようになり、一目で全ての通知を確認できるようになります。
マップ
一部地域の屋内マップや車線ガイドなどが追加。日本国内は東京のみ対応。
おやすみモード
運転中に自動でおやすみモードが有効になり、運転を阻害されなくなります。
MUSICアプリ
Apple MUSICのAPIキットが開発者向けにリリース。サードパーティがライブラリを利用できるようになるためApple MUSICに関連したappの開発が可能になります。
AR
AR（拡張現実）機能が搭載されるため事実上世界で一番多く稼働するARプラットフォームだと言っていました。
iPad
iPad Proに新しいモデルが追加されます。今まで9.7インチでしたが、10.5インチのモデルが発表されました。
また、iPad Proの最大サイズである12.9インチも新しいモデルが追加されています。
HomePod
Siri搭載のスピーカーの登場です。
Siri搭載ということは、音声で操作ができるため「あの曲を流して」とか、天気やニュース、交通状況等の通知・検索機能もついています。また、家電を操作できるHomeKitにも対応するため声で照明を操作したり、部屋の温度を変えたりもできるようになるそうです。
このHome Podはスピーカーの能力がかなり高く、ユーザー側で置く場所を考える必要がありません。
6スピーカーアレイを採用し、音を特定の方向に発する事ができるビームフォーミング技術に対応しています。内蔵マイクが存在する事で周りの環境を認識し、反響等を計算して音を発するエコーキャンセリングに対応します。
12月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで349ドル（約38.000円）で発売。日本での予定は未定です。
