TASCAMのパワーディストリビューター使用レビュー【AV-P25RmkⅡ】

こんにちは、借猫です。

今や音楽制作を本職としない人でも宅録の環境が整っているので、趣味や駆け出しの人でも機材に触れる機会が増えてきました。

音楽のジャンルや楽器等によって使う機材は変わってきますが、共通して必要となる機材・・・それは「電源」です。

電源タップで機材を管理している人を見かけますが、音質も気になりますし、何よりいつ電源が落ちるか分からない不安定な状態となります。

今回はその全ての機材の電源部分を司るパワーディストリビューターを使ってみたレビュー記事を書いてみたいと思います。

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パワーディストリビューターとは?

一言で言うと「電圧安定装置」の事です。

パワーディストリビューターやパワーコンディショナーと呼ばれ、元々は発電された電気を家庭用に変換するインバーターの事を指す言葉です。

音楽制作用の機材としての役割は、電源を安定して供給でき一括電源オンができる電源タップといったところでしょうか。

また、多くの機器にはサージノイズフィルターがついており機材を守ってくれます。

サージノイズフィルターは必須

雷や設備の故障等により瞬間的、または断続的に過剰な電圧がかかる事をサージというんですが、これが付いていないと電流が流れた時につながっているコードが焼き切れる事があります。

そしてノイズというのはこの場合はサージに比べると低電圧のため機械を壊すまではいきませんが、高周波のためコンピュータのメモリやディスク内の記憶を消去させる虞のあるレベルの異常電圧の事です。

つまり異常事態が起きた時タコ足配線していると、パソコンのデータや機材が全滅ということもありえます。

機材って音楽を続けていくとドンドン増えていくので、使っている機材の値段を合計してみると…恐ろしい……。

また、常時フィルターが作動している状態になるので、電源プラグから発生してスピーカーに乗るノイズも除去されるため音質が良くなります。

タコ足配線は危険

音楽制作では沢山の機材を使う関係上コンセントを大量に使う事になりますが、タコ足配線になると電源タップの定格の容量を超えると電源が落ちたり、発熱の結果最悪発火の危険もあります。

音楽をしない人もスマホや電化製品等の普及によってコンセントの必要口数が増えました。我が家でももれなく増えていて、電源タップに電源タップを継ぎ足している場所もあり、時々接続箇所を見直さなければならない程です。

コンセントや電源タップには容量の限界がある

昔勉強したきりなので間違ってたらゴメンナサイ。

家のブレーカーってありますよね。多くは玄関の上とか、脱衣所の上とかにあったりしますが、安全に使用するにはまず家全体でどのくらい使えるのかを知る必要があります。

自分の家が何アンペアの契約か知っていますか?

ブレーカーに数字が書いてあるんですが、上の画像の場合は60A(アンペア)ですね。60Aだと、W=VAの公式に当てはめると日本の電圧は100Vなので「100(V) x 60(A) =6,000W」ということになります。

ウチはオール電化の住宅で契約方法が特殊ですが、一般家庭の平均的な契約電流は30Aで、僕も引っ越す前は30Aでした。30Aなら3,000Wが最大電力です。

またもやブレーカーですが、先程の60Aと書いてあったものが「主幹ブレーカー」という大元です。ここから各コンセント毎に別れるのが画像の「子ブレーカー」です。ここは各家庭によって大きく違うので家のブレーカーを確認してみて下さい。

画像の例で行くと、一部30Aになっていますが、基本的にコンセント1つにつき20Aずつ使えるという事が分かります。2,000Wですね。

次は電源タップをみてみましょう。ほとんどの場合親切に何Wまで使えると書いています。画像には合計1,500ワットまでと書いていますね。

では壁のコンセントが2,000W、ここに電源タップ1,500Wを繋ぐと何Wまで使えるのでしょうか?答えは1,500Wです。この電源タップで1,500W以上使おうとしても、電源が上手く入らなかったり、付いたり消えたりといった不安定な動作になります。

1つのコンセントには差込口が2口付いていますが、2つで2,000Wです。これを超えるとこのコンセントのブレーカーが落ちます。

パワーディストリビューターの便利なところ

一括電源管理ができる

僕が持っているのはTASCAMのAV-P25RmkⅡなんですが、1,490Wまで使用でき、15口もの差込口があります。前面に大きなスイッチが付いていますが、これで繋がっている機器の一括電源ONが可能です。

前面3口と背面3口はUnswitchedという常にオンになる差込口もあるので、個別にオンにしておきたいPCやディスプレイ等を差し込んでおくと良いです。

電源をONにする順番を管理できる

音楽機材には複数のものを一緒に使う時電源を入れる順番があります。これを守らないと信号が正しく伝わらず、機材が壊れてしまう場合があります。

種類で覚えると簡単なのですが、簡単な流れだとこうなります。

  1. 楽器やシンセ、エフェクターなど音を作るもの
  2. アンプなど音を増幅するもの
  3. スピーカー

壊れる危険性があるのはスピーカーなのですが、例えば最初にスピーカーの電源を入れるとスピーカーに繋がっている機材の電源がオンになった時に「ボン」という音がします。

電気を使うものは電源がオンになる時に一番電力が大きくなります。そのため過剰な電力がスピーカーに向かうとそのままダメージとなり傷んでしまいます。

ただ、それを毎日家で順番通り電源をONにしていくのも面倒だと思います。パワーディストリビューターはこの順番も管理できるのが利点ですね。

僕が持っているAV-P25RmkⅡだとSwitchedを一括ON/OFFしかできませんが、後継機種のAV-P25RmkⅢはTIME DELAYという機能により3つのグループに分かれて順番に電源が入ります。オフの時は逆の順番で落ちていくので簡単で安心です。

この機能だけでmkⅢ欲しいですね。mkⅡが壊れたら買い換えようかなとか思ってたんですけど、買ってから11年全く壊れる気配が無い。TASCAMは個人的に機材の安定感がすごいと感じてます。長持ちするというか壊れないというか。

電源が安定する

音楽制作をしていると、使用するシンセ・エフェクターなどが曲やプロジェクトによって大きく変わるため、電圧が不安定になることがあります。
例えば音楽制作を始めた頃、パワーディストリビューターを持っていなくて電源タップでやりくりしてたんですが、4口しかない電源タップは当然タコ足配線です。当時使っていたTASCAMのオーディオインターフェースFW-1804の電源を切ると、Power Mac G4がフリーズすることがありました。
その時は「良く分かんないけど再起動したら直るからいっか」なんて思ってましたが、パワーディストリビューターを導入してからフリーズすることもなくなりました。
ちなみに、雷などで高電圧がかかった場合、AV-P25RmkⅡに入っているヒューズを飛ばす事で機材を守るという仕組みになっています。一度飛んだら同じサイズのものを取り替えればOKです。

まとめ

模様替えをして配線とかを換えていたのでなんとなく書きたくなりましたw

こういう効率化アップな機材って好きなんですよね。デスク周りもすっきりするし。mkⅡは通常のコンセントしか対応していないので、3Pコンセントを使おうと思ったら変換を使うし狭いしで使いづらいんですが、mkⅢは3Pコンセント対応で使いやすくて安心です。

音楽機材だけじゃなくてもたくさんの機材を順番に入れたいとか、ONのものとOFFのものを分けて管理したいという場合にパワーディストリビューターは最適な機材です。

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